● エスプレッソの飲み方について
もっと美味しい飲み方、珍しい飲み方、体調に合わせた飲み方ってあるの?
(簡単に言えば…)
何を入れるか、どう飲むかによって、全く別の飲み物のように思えることがあります。たまには飲み方を変えてみて、新しい発見をしてみましょう。
(難しく言えば…)
飲み方を変える手段として、以下に10通りの方法を挙げてみました。この中には皆さんがいつも飲んでいる飲み方もあるでしょうし、まだ試してみなかった飲み方や、考えてもみなかった飲み方もあるかもしれません。いつもの飲み方にちょっと飽きたときに、気分転換に、あるいは好奇心の沸いたときに、試してみてみて下さい。
1.ミルクとの組み合わせ
エスプレッソはミルクとの相性が良いです。加熱したミルクやミルクフォームを注ぐことにより、エスプレッソは、カフェラテ、カプチーノ、マキアートその他様々な飲み物に変化します。お店で飲む場合には、詳しくは「メニューについて」のページを参照して下さい。
自宅で飲む場合には、飲み物の名前には特にこだわらずに自分の好みの割合を探すのがよいと思います。お店では出来ませんが、自宅で時間をかけて飲むときには、ダブル・エスプレッソの入ったカップとミルクピッチャー(蒸気で泡立てたミルクとミルクフォームが入っている)を目の前に並べて、まずはエスプレッソをストレートで一口、次にミルクフォームを少し入れて一口、今度はミルクも入れて一口、…といった感じに一杯を様々に味わうのも一案です。
2.ミルクの種類
普通のミルクは乳脂肪分が3〜4%ですが、1〜2%の低脂肪乳や、ほぼ0%の無脂肪乳もあります。ジャージー種の牛からとれるジャージー乳には4%以上のものもあります。生乳のみを原料としたものの他に、脱脂粉乳やバターを使った加工乳もあれば、大豆で作った豆乳もあります。
これらも気分や体調によって使い分けることが可能です。例えば夏の暑い盛りに町中を歩いていて喉が乾き、通りがかったチェーン店に立ち寄ってアイス・カフェラテを注文する場合には、低脂肪乳か無脂肪乳にしてもらった方が飲みやすいかもしれません。
3.クリーム
ミルクと同様、クリームもエスプレッソによく合います。クリームには乳製品(乳脂肪分も様々)と植物性のものがありますが、ホイップした生クリームを載せる(エスプレッソ・コン・パンナ。パンナとは生クリームの意。)方が一般的です。日本の喫茶店ではミルクフォームの代用にホイップクリームを使ってカプチーノを出す店も少なくありません。
アイスクリームとの相性も抜群です。アイスクリームの上からエスプレッソを注いだデザート(エスプレッソ・コン・ジェラート、あるいは、エスプレッソ・アフォガードないしジェラート・アフォガード。アフォガードとは溺れるの意。)は、エスプレッソが苦手な人にもお勧めです。
4.甘味料
エスプレッソ系飲料は甘いものとの相性が良いですが、砂糖だけでも各種あるほか、低カロリーの人工甘味料、ガムシロップ、はちみつ、メープルシロップなど、様々な甘いものを合わせることができます。
普通は砂糖を入れてスプーン等で混ぜて飲みますが、混ぜることにより表面の泡(クレマ)が乱れたり温度が下がったりするのを嫌って(あるいは混ぜる姿が粋ではないとの考えから)砂糖をザラリと入れて混ぜずに飲む人もイタリアには多くいます。混ぜるのは面倒だが砂糖が溶け残るのが嫌だという人は、アイスコーヒー用のガムシロップを入れるという手もあります。
5.チョコレート
カカオ(ココア)に油脂分と甘味を加えたチョコレートは、コーヒーにミルクや砂糖を加えたエスプレッソ系飲料にとって遠縁の親戚のようなものです。エスプレッソに生クリームとチョコレートシロップを加えたカフェモカは有名です。エスプレッソにチョコレートを添えて出す店もありますが、これはエスプレッソの中にチョコレートを入れて溶かす人もいれば、チョコレートをかじりながらエスプレッソをすする人もいれば、エスプレッソを飲んだ後にチョコレートを食べる人もいます。食べ方の説明が指定されている訳でもありませんので、周囲を気にせず自分の好きなように食べましょう。
6.フレーバー
エスプレッソ系飲料に独自のフレーバー(味わい、香り)をつけることがよくあります。大きく分けて3つの方法があります。
簡単なのは、ココア、シナモン、ナツメグ、バニラなどのパウダーを上から振りかけるアレンジです。イタリアではココアを使う人や店が多いのに対し、北米(シアトル等)や日本ではシナモンを使う人や店が多いようです。
よくチェーン店で見かけるのが、フレーバーシロップを用いるアレンジです。バニラやヘーゼルナッツやキャラメルなど数種類のフレーバーシロップが市販されています。甘味料とフレーバーの一石二鳥の役割を果たしています。チェーン店の片隅でドリンクに砂糖やガムシロップを混ぜている自分の姿が情けないと思う人は、フレーバーシロップ入りを注文すれば、受け取ったらそのまますぎに甘味のついたドリンクを楽しめます。
日本では余り見かけませんが、果物等を用いたアレンジもあります。シアトルでは、例えばエスプレッソにレモンの皮を添えて風味をつけたエスプレッソ・ロマーノなどのメニューも珍しくありません。
7.お湯、水
エスプレッソを3〜5倍量のお湯で割ったアメリカーノは、エスプレッソの味わいと成分はそのままに濃度を普通のドリップコーヒー並みにしたものです。エスプレッソは濃すぎるという人にはお勧めですし、普段はエスプレッソを飲む人も、気分や体調によっては、エスプレッソにほぼ同量のお湯を入れて薄めたエスプレッソ(=濃いめのアメリカーノ)を飲むのも一案です。
エスプレッソを氷水で割ればアイス・アメリカーノになります。ドリップコーヒーでアイスコーヒーを作ると味が薄くなりがちですが、エスプレッソを使えば十分に味わい深いアイス飲料が出来ます。
8.氷、アイス
アイス系飲料の基本は氷を入れることです。ただ氷を入れるだけではなく、氷を入れてカクテル用のシェイカーでシェイクする方法もあれば、氷とともに電動ブレンダー(ミキサー)でシャーベット状にする方法もあります。ミルクやクリーム(生クリーム、アイスクリーム)を加えて口当たりのなめらかな飲料を作る方法もあります。
また、逆説的ですが、氷抜きのアイス系飲料も良いものです。氷が溶けるにつれて味が薄くなることもなく、温度も常温に近くなるので、しっかり味わえます。チェーン店でも大抵は「氷抜きで」と注文すると応じてくれるので、春や秋など、ホットという気分でもないがアイスという気分でもない、という時には、アイス・カフェラテの氷抜きを頼むことができます。なお些細なことですが、店のテーブルに陣取って本やノートを広げて作業をする時にも、アイスドリンクを頼むなら氷抜きにした方が、汗をかいたコップがテーブルを濡らして本やノートを濡らす心配がなく便利です。
9.アルコール
イタリアにはエスプレッソに少量の蒸留酒を垂らしたカフェ・コレットというメニューがあります。ブドウ(ワインの絞りかす)で作ったグラッパが有名ですが、ウィスキーやブランデー、あるいはリンゴで作ったカルバドスを入れることもあります。アーモンド風味のアマレット、ヘーゼルナッツ風味のフランジェリコなど、フレーバーを兼ねた蒸留酒も各種あります。エスプレッソと蒸留酒を混ぜずに、両者を別々のショットグラスに注いで交互にチビチビやる人もいます。
10.その他の飲料
シアトルでは好奇心に富む人達が、エスプレッソをドリップコーヒーで割ったり、ソーダやコーラやビールで割ったりしています。この辺になると全く個人の嗜好の世界です。いろいろ試しているうちに思わぬ発見があるかもしれませんし、自分で美味しいと思えば他人が何と言おうが自信を持ってレパートリーに加えれば良いですが、奇をてらうこと自体が目的にならないよう気を付けて下さい。
カフェラテの応用メニューの中には、エスプレッソ抜きの飲料も登場しています。さすがにこうなると当サイトの守備範囲外になってしまいます。もちろん美味しいのであればエスプレッソが入っていなくても構わない訳ですが、チェーン店で新メニューや季節メニューに出逢った際には材料を確認してみて下さい。
おわりに
これまで挙げたような飲み方のアレンジを組み合わせれば、エスプレッソ応用メニューは何百通りにもなります。実際、北米(シアトル等)では独自の名前を付けて多種多様なエスプレッソ関連メニューを擁している店もあります。
しかし、ここで何百通りのメニュー名とそのレシピを挙げても余り生産的ではないでしょう。肝心なのは、それがエスプレッソと何と何をどう組み合わせた飲料かということです。もちろん、店では注文できないような組み合わせを自宅で作って、カクテルのように独自の命名をしてお客さんに出すのも楽しいものです。
いわゆるシアトル系のチェーン店の人気の秘密の一つは、顧客の嗜好に応じて様々な組み合わせを可能にするメニューにあります。イタリアの小さなバール等では、常連客の嗜好を心得ているバリスタが気を利かせてアレンジすることがありますが、チェーン店はこれをシステムにすることで、常連客がいつどこの店舗に行っても常連的対応を受けることを可能にしました。自分のお気に入りのドリンク名を呪文のように唱えることに快感を覚えるファンの方も少なくないようです。但し、メニューの仕組みを知らない人に得意げに披露したり、新人のアルバイト店員に早口で注文して困らせたりする「嫌な奴」にならないよう気をつけましょう。
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