● エスプレッソ・マシンについて
エスプレッソ・マシンは何を選んだらいいの?
(簡単に言えば…)
エスプレッソ用の器具やマシンにも様々なタイプのものがあります。それぞれの特徴を知った上で、価格やデザインなども勘案しつつ、自分に合った機種を選びましょう。
(難しく言えば…)
このサイトでも今後「主要マシン比較」のページを作りたいとは思っていますが、全てのマシンを網羅することはできませんし、新たなメーカーや機種も続々と登場しています。また、その人の好みやライフスタイルによっても適したマシンは異なります。したがって、私としては「お薦めのマシン」を挙げるのではなく、マシンを選ぶ際のチェックポイントを幾つか紹介したいと思います。自分に合ったマシンを探す際の参考になれば幸いです。
(注) 「マシン」という表現は複雑な機械を連想させるので、以下で説明する直火式のものは「器具」、電気式のものを「マシン」と呼ぶ方が正確です。しかし、普通にエスプレッソの話をしていて「エスプレッソ器具及びマシン」というのは冗長であり、コーヒーに余り関心のない人には理解されにくいので、このサイトでは直火式も含めて「エスプレッソ・マシン」と総称することもあります。
1.まずは直火式器具にするか電気式マシンにするか
エスプレッソ・マシンは、直火式(ポット式)器具と電気式(機械式)マシンに大別されます。双方をTPO(時間帯、場所、状況)や気分に応じて使い分けている人もいます。まずは安価な直火式を使ってみて、物足りなければ電気式(高い圧力の出る機種)にステップアップするという人も多いようです。
| 動力源 |
概要 |
便利な点 |
不便な点 |
直火式 (ポット式) |
水と粉を詰めて直火にかけるポット型器具。材質はアルミやステンレスなど。台座が八角形のモカと呼ばれるタイプが有名。 |
非常に安価。手入れは水洗いのみ。故障はほとんどない。持ち運びが簡単で、火があればアウトドアでも使用可能。 |
圧力が高くない(1.5〜3気圧程度)。火加減や加熱時間により仕上がりが変わる。規定杯数以外の量では作れない。 |
電気式 (機械式) |
家庭用電源に接続するマシン。国内外の多くのメーカーより多くの機種が発売されている。日本国内でも入手が容易になってきた。 |
火災の心配が少ない。機種によっては電子化が進み操作が簡単。機種によっては家庭用マシンでも業務用マシンと同等の性能をもつ。 |
機種によっては非常に高価。万一故障した場合の対処が難しい。電圧等の違う地域やアウトドアでは使用できない。 |
| 水力式 |
(戦前のイタリアでは、高さ数mの水圧を利用するマシンや、水道の給水圧力を利用するマシンが製作されましたが、普及しませんでした。) |
 |
| |
|  |
|
| 直火式(モカ) |
| |
| 直火式(カルメンシータ) |
|
2.電気式マシンだから高い圧力がかかるとは限らない
電気式マシンの中にも蒸気式マシンとポンプ式マシンがあります。蒸気式マシンも安価で手軽に楽しめますが、直火式器具では物足りないという人が蒸気式マシンを買っても余り大きな違いはありません。外見からは区別が難しいのでカタログ等で確認しましょう。
| 加圧方法 |
概要 |
便利な点 |
不便な点 |
自然加圧式 (蒸気式) |
沸騰して生じた水蒸気がお湯を押し出してコーヒーの粉に通す。 |
比較的安価。比較的静か。比較的故障が少ない。 |
圧力が高くない(1.5〜3気圧程度)。 |
| 強制加圧式 |
(ポンプ式) |
電動ポンプによりお湯に圧力をかけて強制的にコーヒーの粉に通す。 |
圧力が高い(機種によるが9〜15※気圧程度)。 |
比較的高価。機種により動作音がうるさい。比較的故障が多い。 |
| (レバーピストン式) |
てこの原理によりお湯に圧力をかけて強制的にコーヒーの粉に通す。 |
圧力が高い(機種によるが9気圧程度)。比較的静か。比較的故障が少ない。 |
機種により非常に高価。 |
※ 一般的にエスプレッソの抽出には9気圧程度が理想的と言われています。余裕を持って最大出力を15気圧程度としているマシンも多いですが、必ずしも最大圧力が実際の抽出圧力となっている訳ではありません。
 |
| |
|  |
|
| ポンプ式(デロンギ) |
| |
| レバーピストン式(パヴォーニ) |
|
3.電気式マシンは操作方法でこだわりが分かれる
自動車にもオートマ車とマニュアル車があるように、電気式マシンにも抽出の操作方法がいろいろあります。面倒な事は苦手という人もいるでしょうし、抽出具合を見ながらその都度調節したい、試行錯誤を楽しみたいという人もいるでしょう。自分のスタイルに合わせたマシンを選びましょう。
抽出 操作方法 |
概要 |
便利な点 |
不便な点 |
自動 スイッチ式 |
抽出スイッチを入れると自動的に抽出を開始して自動的に抽出を終える。 |
初めての人が操作しても一定の仕上がりが得られる。 |
臨機応変に仕上がり具合を調節することができない。 |
手動 スイッチ式 |
抽出スイッチを入れると抽出が開始され、スイッチを切ると終了する。 |
仕上がり具合を見ながら何秒間抽出するかを自分で決定できる。 |
慣れない人が操作すると過抽出になりがち。 |
レバー ピストン式 |
抽出レバーを引き上げて抽出を開始し、レバーを押し下げて終了する。 |
仕上がり具合を見ながら抽出の量や速度を自分で決定できる。 |
慣れない人が操作すると仕上がりが安定しない。 |
4.電気式マシン選びはコーヒー豆選びと連動する
エスプレッソ・マシンは、コーヒーの粉をですくって詰め込む手動式以外に、各種の方法があります。特定の方式専用のマシンが多いので、マシン購入の際には、その後の豆の購入方法まで見据えて検討する必要があります。
コーヒー粉の セット方法 |
概要 |
便利な点 |
不便な点 |
| 手動式 |
コーヒーの粉をマシンのフィルターに詰め込む。大半のマシンはこの方式。 |
豆の選択肢が広い。マシンに合わせた細かさに挽けば、どの店のコーヒー豆でも使用できる。 |
詰め込む分量や力加減で仕上がり具合が大きく変わる。ある程度の慣れが必要。 |
| ポッド式(一部機種は手動式と兼用) |
コーヒーの粉を押し固めて円形のペーパーフィルターにパックしたポッドを用いる。 |
取り扱いが簡単。操作が簡単で慣れない人にも失敗が少ない。 |
比較的高価。ポッドを販売するメーカーが限られており、豆の選択肢が少ない。 |
| カプセル式 |
コーヒーの粉を詰めたカプセルを用いる。ネスレ社のネスプレッソ・システムのみ。 |
取り扱いが簡単。初めての人が操作しても一定の仕上がりが得られる。 |
比較的高価。ネスレ社のカプセルを購入する以外に豆の選択肢がない。 |
| 全自動式 |
抽出の都度、自動的に必要な量の豆を挽いて詰め込む。主に業務用のマシン。 |
取り扱いが簡単。初めての人が操作しても一定の仕上がりが得られる。 |
高価で大型。臨機応変な調節は面倒。抽出の度に違う豆を使うことは困難。 |
 |
| |
|  |
|
| 手動式(デロンギ) |
| |
| ポッド式(デロンギ) |
|
5.カプチーノ・カフェラテ派はミルクの泡立て機能も要チェック
カプチーノやカフェ・ラテを作るにはホットミルクやミルクフォームを作る必要があります。多くのマシンにはミルクを温め、泡立てるためのノズルがついており、中には自動的にミルクフォームを作る装置を備えたマシンもあります。
| 加圧方法 |
概要 |
便利な点 |
不便な点 |
手動式 (ノズル式) |
自分でミルクを泡立てるための蒸気ノズルを備えたマシン。ノズルの先端に独自の工夫を凝らしている機種も多い。 |
比較的安価。手入れはノズルの先端の拭き取りのみ。 |
上手に泡立てを行うためには慣れが必要。 |
| 自動式 |
専用タンク又は牛乳パックからミルクを吸い上げて、自動的にミルクフォームを作る機構を備えたマシン。 |
誰にでも一定水準のミルクフォームが簡単に作れる。 |
比較的高価。使用の度に各部品を洗浄する必要がある。 |
(泡立て 機能なし) |
カプチーノやカフェラテを楽しむためには別途専用の道具(各種ある)を購入する必要がある。(専用の道具については「エスプレッソ用のミルクについて」の項目で説明します。) |
このように、マシンの選択に際しては、まず直火式か電気式かを選び、電気式の場合には、予算の他にも「加圧方式」「抽出操作方法」「コーヒー粉のセット方法」をチェックしつつ、最終的にはデザインを含め自分との相性を大事にして下さい。
|