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エッセイ・エスプレッソ


第18話 こんにちは、あなたは誰?


 最近、エスプレッソ系飲料やカフェの流行を敏感に反映してか、コンビニやスーパーで「カフェラテ(カフェラッテ)」を名乗る製品をよく見かけるようになった。缶入り、ペットボトル、紙パック、紙コップ型など容器も様々で、製造者も、コーヒー会社、乳業会社、清涼飲料会社と様々である。「カフェオレ」や「カフェレーチェ」を加えると売場は外来語にあふれている。しかし、実際に飲んでみると、中身は従来のコーヒー牛乳と大差ないことが多い。

 間もなく乳飲料の表示ルールが改正されて「コーヒー牛乳」という表示が使えなくなる見通しである。これまでコーヒー牛乳を売っていた各社は新しい製品名の導入に余念がないのだろうか。「牛乳」(日本語)が駄目でも、一定の要件を満たせば「ミルク」(英語)という言葉は使えるし、ましてや「ラテ」(イタリア語)、「レ」(フランス語)、「レーチェ」(スペイン語)などには何の規制もない。

 しかし、辞書的には「牛乳」=「ラテ」=「レ」であっても、「コーヒー牛乳」と「カフェラテ」と「カフェオレ」は本来は別の飲み物である。「カレー」といってもインドのカレーとイギリスのカレーと日本のカレーが異なるように、コーヒーの種類や抽出方法や飲み方は国や文化により異なっている。しかし、単に「コーヒー牛乳」のおしゃれな言い換えとして「カフェラテ」という言葉が安易に使われている気がしてならない。

 メーカーによっては、同一ブランドの下で「カフェラテ」と「カプチーノ」という名前で二種類のコーヒー牛乳を売っていることすらある。成分表示を詳細に読めば、各メーカーが苦心して「カフェラテ」や「カプチーノ」のイメージを出そうと努力しているのは推察できる。しかし、メーカーが違えばその解釈と定義も異なっているので、結局何が「カフェラテ」で何が「カプチーノ」なのかは消費者には分かりにくい。せっかくエスプレッソ系飲料が日本に定着しつつある中で、言葉の意味が恣意的に用いられて誤解を招くことになっては、もったいない。

 脱脂粉乳にバターを加えた加工乳と部分脱脂乳との区別が紛らわしい、生乳100%以外の乳飲料に牛乳という言葉を使うと紛らわしい、という一方で、外来語だったら何でもあり、というのは不思議である。規制は少ないに越したことはないが、各メーカーから十分な説明や情報提供がなされることを期待したい。

 あなたも、今度コンビニやスーパーに行ったら、コーヒー牛乳の商品名を確かめてみては?


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