トップ - 違い - 誤解 - 出逢うには - 書籍 - ウェブサイト - 歴史物語 - エッセイ - ラウンジ - 世論調査 - このサイト

エッセイ・エスプレッソ


第17話 さようなら、コーヒー牛乳。


 店頭からコーヒー牛乳が姿を消すらしい。…もう少し正確に言えば、今後は「コーヒー牛乳」と名乗ることができなくなるらしい。

 乳製品の食中毒事件をきっかけに、飲用乳にも様々な種類があり、例えば「低脂肪乳」といっても、生乳から乳脂肪分を一部除去した「部分脱脂乳」もあれば、脱脂粉乳とバター等で作った「加工乳」もある、ということが広く知られるようになった。「牛乳だと思っていたのに、まがいものだった」と思った消費者も多かったらしい。そこで飲用乳の表示に関する規約(業界の自主ルールといいつつ罰則がある)を改正して、生乳100%の牛乳のみが「牛乳」と名乗れることになった。近日中に公正取引委員会が改正案を認定すると、その日以降の新製品には新ルールが適用されることとなり、従来製品も1年以内に新ルールに移行しなければならない。

 コーヒー牛乳のような、生乳以外の原料を含む「乳飲料」には「牛乳」という表示ができなくなる。もちろんこれは製品表示の規制であり、我々が「コーヒー牛乳」という日本語を使用すること自体は全く構わないのだが、それでも、1年後には店頭から「コーヒー牛乳」という文字が消え去ってしまうというのは、何だか恐ろしい気がする。ここまでやるからには、乳飲料に対する信頼をしっかり回復して欲しいものである。

 その一方で、ルールには例外がつきものである。生乳100%の牛乳以外には「牛乳」という表示ができないように「ミルク」という表示もできないのが原則だが、後者には例外規定があって、乳脂肪分が3%以上ある等の条件を満たせば、生乳100%でなくても「ミルク」という表示はしてよいらしい。つまり「コーヒー牛乳」は駄目でも「コーヒーミルク」や「ミルクコーヒー」は存続を許されるのである。

 規制を最小限度にとどめることは良いことである。しかし、「牛乳」の消費者イメージは断固として守るべきだが「ミルク」の消費者イメージは適当で良い、といった外来語軽視が乳業関係者の発想に無意識のうちに含まれているのであれば、心配である。


参考資料
  朝日新聞2001年6月27日朝刊1面
  「飲用乳の表示に関する公正競争規約の一部変更(案)」に関する公聴会の開催について(平成13年5月22日、公正取引委員会)


追記
 平成13年7月10日、公正取引委員会は「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の一部変更を認定し、新規約は11日より施行されました。詳細は公正取引委員会ホームページをご覧下さい。


←← 目次へ    前の話へ 次の話へ



トップ - 違い - 誤解 - 出逢うには - 書籍 - ウェブサイト - 歴史物語 - エッセイ - ラウンジ - 世論調査 - このサイト

Copyright (c) 2000-2005 「エスプレッソの扉」バリスタ  All rights reserved.
バリスタ宛メールはエスプレッソ・ラウンジで受け付けています。